インターメカニカ 356レプリカ
静岡市からお越しのN様
オリジナルの素晴らしさを最大限に再現
インターメカニカ・356レプリカのご入庫、コーティング施工のご紹介です。
カナダはバンクーバーの地でポルシェ356のレプリカモデルを製作するインターメカニカ社。ヒストリックカーでありながらも、その姿と走りを現代でもなお楽しめるというのですから、世界中に多くのファンがいることも頷けます。
ご入庫にあたりましては、ブラックカラーの宿命とも言える洗車傷のダメージについてご相談を頂き、
現車確認の上、作業をお引き受けさせて頂きました。
保管環境・お手入れの頻度による違いはあれど、年数が10年以上経過されているお車は、塗装の劣化や痛みの問題からコーティング施工自体のお引き受けが難しいケースが多々あります。
旧車やクラシックカーと呼ばれる特殊車両となればなおさらで、下手に手を加えない方が塗装にとって良い場合もございます。施工にお悩みの方には車両状態を拝見させて頂いた上でアドバイス致しております。
こちらのお車はボディパネルすべてがFRP製。一般のパネルとは異なり塗装の厚み(膜厚)の測定が出来ません。
そのため、磨きの手応えから経験を生かした見極めが肝となる作業でありました。
車両状態にあわせて機材やコンパウンド、バフを選定しアプローチに入る中、
FRPボディなだけに磨き過ぎには注意しなければなりません。
まずは塗装の硬さ・柔らかさを判断する初期研磨の手応えから、今回は可能な限りソフトな組み合わせに切り替え、ゆっくり・じっくりと時間をかけた工程を踏んでいきました。
この手の塗装は施工時間を短縮しようと負荷のかかる磨きをかけてしまうと、あっさりと塗装が飛んでしまうことがあるので、安全マージンを確保して施工を行っていきます。
目立っていた細かな線キズの大半は除去することが出来、無事に美しいブラックカラーを引き出せたかと思います。
ただ単に多く磨いていけば、今回取り切れていない線キズや深い傷もいずれは消えるかもしれませんが、それ以上に既存の塗装膜は薄れていってしまいます。
塗装を守るには負担をどれだけ減らすかが重要となります。
そのため、当店では磨きのレベルにコーティング被膜を加えたトータルバランスを考慮した施工を常に心掛けております。
下地処理工程後は低分子・完全硬化型ガラスコーティング剤「リボルト・プロ」でたっぷりとコートを施し、
研磨により磨かれた塗装膜を3~4μmの厚みを誇る濃密なガラス被膜で包み込みます。
石油系成分を一切含まない無機質のガラスコーティングは、
ワックスやポリマーとは違い、クリアで自然な深みある艶を実現可能です。
美しい姿を取り戻した愛車で風を感じ、車と対話して走る喜びを今後もたっぷり味わって頂きたいと思います。
今後はセオリー通りの洗車をして頂ければ、長期間に渡りこの艶と輝きが維持できると思います。
この度は、ご用命いただきまして誠にありがとうございました。
- 施工時期:
- 2016年1月
- 施工内容:
- リボルト・プロ